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2021年8月11日産経新聞朝刊で掲載いただきました! ポストコロナの国際交流教育 オンラインで繋がり強化

ポストコロナの国際交流教育 オンラインで繋がり強化
新型コロナウイルスの影響によって海外渡航が難しくなり、日本と海外の学校をインターネットで結ぶ交流の手法が関心を集めている。
国際社会で活躍する人材育成のために欠かせない国際交流。オンライン活用で交流の頻度が高まる事例も出てきた。
「コロナ後に会うときにはお互いをもっとよく知ることができているはず」。ポストコロナも見据えた国際交流の形が見えてきた。

画面越しに夢を語り合う
「地球環境の保全に努めるほか、動物の人工器官をつくりたい」
マレーシアの内陸部にあるチェン・フォア高校のイアン・イザック・アレックスさん(18)が
オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を使って夢を語ると、
マレーシアと日本をつなぐモニター画面に映った20人近い生徒たちが口々に「ワンダフル」の声を上げた。
大阪市中央区にある追手門学院大手前高校ロボットサイエンス部は「コロナ禍であるからこそ、広い世界を見よう」と、
1月から6月にかけて4回にわたり、チェン・フォア高校の生徒とオンラインで交流した。
ロボットサイエンス部は、社会問題を解決するロボットの開発や製作に取り組みながら、世界的なロボットコンテストに入賞するなどして活躍している。
一方、プログラミング教育の先進校といわれるチェン・フォア高校は、IT(情報技術)に精通した人材育成に取り組んでいる。
互いが学校で学ぶ技術や将来の夢について語り合い、伊賀妃里(ひより)さん(16)は
「マレーシアでは小学生からコンピューターサイエンス教育が行われていることを知り、
日本よりプログラミングやロボットに触れる機会が早いことに驚いた」と話していた。

活用は25倍に
オンライン国際交流を終えて、同部顧問の福田哲也教諭は「画面越しでも想像以上に生徒たちがそれぞれの思いを伝えられることを実感した」と手応えを感じた様子だった。
これまで同部の国際交流といえば、コンテストの世界大会で海外の生徒とふれあう程度。一方、オンラインでは半年間で4回交流できた。
慣れない英語でのやりとり。当初は「何を言っているかわからないところもあった」というが、最後にはお互いの心情を表現できるまでになったという。
「コロナで状況が一変した」
一方、こう話すのは、平成30年4月創業のベンチャー企業「With The World(ウイズ・ザ・ワールド)」(神戸市中央区)の五十嵐駿太社長(28)だ。
コロナ禍前からオンライン国際交流の普及を目指して、海外提携校を開拓し、授業のプログラムを開発、授業運営や成績評価のサポートも行ってきた。
設立当初、同社が提供するオンライン国際交流授業を実施したのは1校だけで、令和元年度も中高合わせて2校のみにとどまった。
しかし、コロナ禍で海外研修や留学などが次々延期や中止になった2年度には50校に急増。今年度も7月現在、計59校が導入を決めている。

コロナ収束後も渡航前の準備に
「コロナ禍前は、国際交流とは海外に実際に渡航することがベストだと考える教諭も多く、オンライン交流は敬遠されがちだった」と五十嵐社長。
しかし、コロナ禍で授業のオンライン化が一気に進んだことも追い風に、抵抗がなくなりつつあると感じている。
日本学生支援機構の調べによると、大学などが把握している海外留学状況は、近年、短期の留学を中心に留学生数が増加していた。
しかし新型コロナの影響で元年度は前年比7800人減の10万7346人に落ち込んだ。
ただ、国際社会を生き抜く人材を育成する意味でも、国際交流の継続は欠かせない。そこでオンラインの有効活用は新たな一手として期待される。
五十嵐社長も「オンラインなら、同じ教室内に外国人のクラスメートがいるような環境をつくることができる」と強調する。
「コロナ禍が収まって海外研修が再開した際にも渡航先での体験をより深めるための準備として活用できる」
「事前にオンラインで交流して、修学旅行などで実際に会えば効果は高まる」といった声が教諭の間からも上がっているという。
オンライン国際交流を海外研修や留学の単なる代替策として捉えているのではない。
ポストコロナを見据え、渡航とオンラインを掛け合わせた新しい国際交流教育を思い描いている。(高橋義春さま)

産経新聞オンライン版はこちらへ
https://www.sankei.com/article/20210810-S4UXT7T7KRL4TNMVSELZ3OAOTA/

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