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【国際交流授業の「垣根」をなくすオンライン・PBL型の授業を実現】月刊「先端教育」1月号に掲載されました!

月刊先端教育1月号 株式会社WithTheWorld

以下、掲載分
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グローバル人材育成のために、日本と海外の学校をオンラインで結ぶ国際交流授業への関心が高まっている。しかし海外連携校の開拓や授業運営、成績評価などの手間は大きく導入は簡単ではない。この課題に着目した教育事業を推進するのがWith The Worldだ。

【教室に外国人のクラスメイト】
関西学院高等部(兵庫県西宮市)は昨年度、インドネシア・バリ島のハラパン高校とオンラインで結び、PBL(Problem Based Learning)型の国際交流授業を1年間にわたってトライアルした。
日本とインドネシアから合計84人(2クラスで実施)が参加し、4~5人ずつの混成チームを作り、週に1回の頻度でskypeを使ってPBLを実施した。テーマは、日本とインドネシアの社会問題解決だ。
国連のSDGsに沿って「食品ロス」「貧困・教育問題」「ごみ問題」「伝統産業の衰退」などのテーマを各チームに与え、解決策を国境を越えてディスカッションし、アイデアを具現化。最終授業でプレゼンテーションを行った。

「同じ教室内に外国人のクラスメイトがいるような環境を作ります。関西学院高等部では、考えたアイデアを文化祭などで実施したり、商品化したりしました。さらに夏休み期間に実施した海外実施研修では、日本から5人、インドネシアから10人の生徒が参加し、チームメイトとの交流やフィールドワークを行いました。英語力向上はもちろん、国際コミュニケーション力や課題解決力を身につけられ、両国の生徒の満足度は大変高いです」とプログラムを企画運営するWith The World の五十嵐駿太代表は話す。

ネットワーク回線の高速化やskypeなどのツールの発展で、国際交流事業の技術的なハードルは下がってきたものの、教育現場は依然として多数の課題を抱えている。

「高校の先生は、国際交流授業にとても高い意欲を持っています。しかし、連携してくれる海外校の開拓には大変な労力がかかります。連携先があったとしても、スケジュール等の調整作業、交流授業のテーマ設定やプログラム作成、英語での授業進行など様々なハードルが存在します。先生方からは『(国際交流授業の)理想はあるけれど、時間がない』という声をたくさん聞きました」

そこでWith The World は、海外校とのコミュニケーションから先生のニーズに対応したプログラム作成、実際の授業の運営・ファシリテーション、成績評価サポートまで、国際交流授業に関する業務をすべて行い、実施研修もコーディネートする。日本側ではスタッフと大学インターン生が運営・評価を担当し、インドネシア側にもファシリテーターを配置している。

【生徒の個性を伸ばし、成長をきめ細かくレポート】
文化や価値観の異なる国の生徒同士がチームを組めば、柔軟なアイデアと”学び”が次々と生まれてくる。

「食文化と健康」のチームでは、野菜不足の解消に向けて、和食とインドネシア伝統食を統合した新しいレシピを開発。生徒たちが自宅で試作し、レシピのポスターを学内やイベントで貼り出したり、学校食堂にレシピを提案するなどの活動を行った。「家族問題」チームでは、日本における家族内のコミュニケーション不足を是正するために、家族用LINEスタンプをインドネシア人生徒のデザインで商品化した。

授業を通して、生徒たちには大きな変化が見られた。「最初は、英語に自信がなくて喋れない日本の生徒が多かったです。ただ、インドネシアの生徒たちは皆日本が大好きで、『日本の話を聞かせて』とリードし、トライ・アンド・エラーがしやすい環境を作ってくれました。日本の生徒も一度自分の英語が伝わると嬉しくなり、『次はこんなことを話したい』と自習してくるようになります」

両国の生徒へ実施したアンケート調査では、満足度が平均90%以上に達した。『最初は何を話しているのか理解できず苦痛だったが、回を重ねるごとに会話を楽しめるようになった』『(チームマネジメントやアイデアの具現化を通じて)自分の新しい強みを発見できた』という回答もあったという。

先生側からの授業への評価も高く、特に、PBLでは難しかった成績評価へのサポートが強い。「私達スタッフのほか、チーム内に配置した大学インターン生、そして海外スタッフという3つの視点から生徒一人ひとりの成長記録をつけ、それぞれの個性と”変化”を細かく分析してレポートします。定期試験とは違ったかたちで生徒の成績評価ができるようになります」

【世界中の学校が繋がる世界へ】
同社は現在、新渡戸文化学園の「教えない授業」の山本祟雄教諭と共に、中学1年生を対象とした国際交流授業を10月から毎月1回のペースで実施している。

さらに五十嵐氏は、世界中の学校が自由に繋がるWEBプラットフォームを開発中だ。自分の学校の情報を登録した上で、国際交流授業を実施したい国や繋がりたい学年、授業テーマなどを入力すれば、ニーズに合致する世界各国の学校がリストアップされ、簡単にオファーができる仕組みを検討している。

「今日はアメリカ、明日はインドネシアという風にクラスメイトを増やしていける環境を構築したいと思っています。例えば『1学期に15カ国の学生と環境問題を話し合う授業』などが実現できるかもしれません。公立高校でも使えるぐらいの価格帯に抑えるつもりです」

五十嵐氏は学生時代に食品ロスや貧困などの社会問題を研究しており、海外の実情を知るためにフィリピンに渡航してNPO活動などに参加。ゴミ山で働く子どもたちとの交流から、社会問題に対する無関心を打破し、子どもの未来を広げるための”教育”の必要性に気づいたという。大学卒業後は人材派遣大手のパソナで、営業や地方創生事業、新規事業開発を経験した。そして2018年4月にWith The World を起業した。

「事業を通じて、日本の学校が当たり前のことのように海外学生とディスカッションできる環境をつくりたい。そして、社会問題への意識が高く、解決に向けて行動できる人材を育てていきたい。そんな人達が世界各地から生まれれば、国と国との争いもなくなると本気で思っています」と五十嵐氏は語った。

株式会社WithTheWorld オンライン国際交流授業

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