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【アジアの学校と日本の学校をつなぐ】月刊 社会教育 「リカレント教育・学習」6月号に掲載されました。

ご縁あって、20196月、月刊 社会教育 「リカレント教育・学習」6月号に掲載いただきました。

以下、掲載分
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「アジアの学校と日本の学校をつなぐ With The World」

2018年度の日経ソーシャルビジネスコンテストのファイナリストで、今、注目の若手起業家のひとりが「with the world」の五十嵐駿太代表だ。

 学生時代は体育会系テニス部に所属し、毎日「部の昇格」を目指しテニスに打ち込んだ。辛いときも、仲間が諦めず全力で応援してくれるので、チームの勝利と笑顔が見たく、限界を超えて戦うことができたという。

 

 一方で、大学では食品ロスについても関心を深め、世界各地でどんな状況に直面しているかを自分の目で見るため、引退後は海外で学ぼうと決心。

 ちょうどその時「世界なぜそこに日本人」という番組で、貧しい高校生に住む場所や食事、お小遣い、学校に通う教育費を提供し、お父さんとして宿題も一緒に見るような日本人教育者を放送されているのを見て、「この人に話を聞こう!」とDMを送り、フィリピンに渡航したことが海外進出のきっかけになった。

フィリピンでは、教育系のNGO団体としてスラム街の子どもたちの支援や、テニスコーチボランティアとして過ごした。テニスコーチとしては120人の子供と触れ合うだけでなく、Facebookを通じて、多くの方々から100本以上のテニスラケットを集めた。

そこで2つのことに気づいたという。1つはどんなに貧しい環境で学校に行けない子どもたちでも、才能を秘めているということ。テニスや勉強を教えるとすぐに覚え、見る見るうちに上達し、「もっと教えて!」と学ぶ意欲も高い。彼らが学校に行くことができたら、どんなに大人になるのか、ではどうしたら教育を受けることができるのか、真面目に考えるきっかけにもなった。

 2つ目は、同じ地域の中にあるスラム街で過ごす子どもたちの状況を、学校に行ける子どもたちはあまり理解していなかったこと。その一方で日本やオーストラリアなどのNGO団体が一生懸命支援を行っているが、その時に、NGOに加えて、地域の人が地域にある課題に目を向け取り組むことが必要なのではと考えた。

このことはフィリピンだけに限らず、どの地域においても言えることで、例えば日本では、自分の生まれ育った地域産業や文化を友達に説明できる子どもたちは少なく、義務教育過程から地元産業と触れ合う機会を設けることで、地域をより理解した学生を育むことに繋がるのではと思いを巡らせた

 そこで、スラム街の学校に行けていない子どもたちに対して、教育を受けられている学生が習得した教養を用いて、できることを考え、その知識を共有する。学生は、スラムの子どもたちからも多くのことを吸収するといった互いに支え合う文化を世界各地に授業の一環として展開することができれば、教育格差を改善できるのではと考えるようになった。

 それ以外にも、環境問題や伝統産業の衰退、農業における後継者不足、家族間とのコミュニケーションレスなど国・地域で起きている課題にまず目を向け、行動するきっかけを、未来を担う子どもたちが通う学校の授業で取り入れることはできれば、世界はきっと良くなるはず。

そこで、20184月より、関西学院高等部とインドネシアのバリ島の高校生を週に1度繋ぎ、両国の社会課題を議論する授業を開始した。お互いの国のSDGSに則った行いたいテーマを生徒が選び、4人少人数グループで外国人とペアになり、各課題に働きかけてもらうアクティブラーニング授業だ。

 共通言語は、英語で、英語を海外の同級生相手に社会課題を議論することに慣れていない日本人生徒は授業に対する不安を最初は感じるが、アジアは特に親日が多く、日本人と話すことを楽しみにしながら毎度準備をし、且つ笑顔で接してくれるので、日本人生徒は「伝える楽しさ」を覚え、自信を持ち、どんどん自己学習を主体的に行うようになっていくという。

 計10回の授業構成で「何が問題で」「自分たちにできることは何か」「そのアイデアを実行に移し」「最後にオンラインプレゼンテーション」を行う過程の中で、提携校と相互訪問も実施する。生徒たちは、海外文化や言語を学ぶ、アイデアを実行するといった目的のほか、週に1度共に行動してきた海外のチームメイトに会うことを1つの目的としているので、相互訪問における満足度は非常に高く、相互訪問を希望する生徒も実施前よりも増加したという。

日本と交流したいと話す海外校が多く存在している一方で、日本の協力校がまだまだ足りていない状況だ。ぜひ皆様の学校でもどうだろうか。

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