「グローバル教育」を徹底解説! 授業・カリキュラム事例もご紹介
この記事では、「グローバル教育」についてご紹介します。
1.グローバル教育とは
グローバル教育とは、グローバル化の進む世界の中で適応していく力を養っていく教育のことを指します。
グローバル教育と混同されやすいものとして、英語教育が挙げられますが、英語教育では英語という言語を学ぶものであるのに対し、グローバル教育は、異なった文化や価値観を受け入れていく力や、世界の問題に対して意識を持って解決に向かい取り組んでいくといった、国際対応力(グローバル・コンピテンシー)を育むことが求められます。
この様な力を身につけていくために、需要な要素として文部科学省は、”多様な価値観を持った他者との協働の中で新たな価値観を見出し、イノベーションを創り出す経験が必要”であるとしており、多様な価値観に触れながら答えのない問題に対して解決していく姿勢を育んでいくことが、重要視されています。
そして文部科学省では、グローバル人材育成促進を目指し令和5年から「せかい×まなびのプラン」を掲げています。「せかい×まなびプラン」では中学・高校の段階におけるオンラインを用いた国際交流活動の促進といった、国際理解を深め国際協調の精神を育んでいくことが求められていたりと、現代の教育現場において、グローバル教育といった教育の国際化が高まってきています。
【引用・参照:せかい×まなびのプラン】
https://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/sekaimanabi/index.html
【参照:WONDER CODE, グローバル教育とは】
https://wondercode.jp/blog/2022-12-11/
2. グローバル化とは
ではそもそも、最近よく耳にするグローバル化とはどのようなものなのでしょうか。
グローバル化とは、人や物、情報などが国境を超えて活発に移動をし、世界における結び付きが大きくなることを指しています。最近では、世界規模の経済交流が加速し、多国籍企業やグローバル企業の進出が進んでいます。例えば日本からも、UNIQLOやHONDAといった多くの日系企業が世界に進出しており、日本国内だけでなく、世界を相手にしたビジネスの必要性が年々高まってきていることが分かります。
この様にグローバル化が進む現代社会において、異なる文化背景や言語を持つ人々と、協働していく必要性が高まっている近年、注目を集めているのが「グローバル人材」なのです。
【参照:内閣府、第1節日本経済とグローバル化】
【参照:WONDER CODE、グローバル教育とは】
https://wondercode.jp/blog/2022-12-11/
3.グローバル人材とは
グローバル人材とは、言語や国、文化を超えて活躍する人材のことを指しており、文部科学省は、「グローバル人材」について以下の要素を挙げています。
Ⅰ. 語学力・コミュニケーション能力
Ⅱ. 主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感
Ⅲ.異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー
【引用:文部科学省、グローバル人材の育成について】
↓グローバル人材については、With The World HP記事「グローバルリーダー徹底解説!」にて、詳しく解説しております。
https://withtheworld.co/globalleader/
つまりグローバル人材とは、異文化や自国に対する理解を持ち、豊かな言語力とコミュニケーション能力で、主体的かつ柔軟な姿勢を持って、様々な分野で活躍する人材のことを指しています。
では実際にグローバル人材を育成するには、どの様な取り組みが必要なのでしょうか。そこでグローバル人材の鍵を握るのが、「グローバル教育」です。
4.グローバル教育の事例紹介
グローバル教育では、多様な価値観を持った他者との協働や、世界の問題に対して取り組んでいく姿勢というものを育んでいくことが求められています。
この様な力を育むグローバル教育プログラムとして、以下の事例が挙げられます。
・インドネシアの学生と取り組む!世界のプラスチック問題
青森県の近江高等学校では、「未来につながる異文化プロジェクト」として、4日間に渡り、インドネシアの学生と共にプラスチック問題について考えていきました。
身の回りで見つけた「プラスチックの過剰利用」について発表をし、プラスチックの過剰利用がもたらす問題や解決策についてディスカッションを行っていきました。最終日には、プラスチック問題に対して自分たちができることについて発表を行い、最も取り組みやすく、効果があると考えられる方法をチームで決定し、共同宣言を作成しました。
【参照:八戸工業専門学校 HP】
https://www.hachinohe-ct.ac.jp/info/2023/09/001790.php
・フィリピンのゴミ山問題について学び共に考えるオンラインスタディーツアー
鳥取県の青翔開智中学校では、「探究科目」の一環として、弊社の国際交流プログラムの一つである「オンラインスタディーツアーinフィリピン」を通じ、フィリピンのゴミ山問題について学びました。
本プログラムでは、映像を通してフィリピンのゴミ山の様子や、そこで暮らす同世代の子どもたちの生活、スラム街の様子などの理解を深め、青翔開智中学校の生徒さんたちが、現地の同世代の学生に英語を用いてインタビューを行いました。インタビューを通して、文化の違いによる多様な意見に触れることができ、またフィリピンという世界の問題を考えていく中で、世界の問題に対して問題意識を持つきっかけになりました。
【参照:青翔開智中学校 HP】
・福島の今を発信!フィリピン&インドネシア生徒と考える気候変動と自然災害
福島県にある福島あさか開成高等学校では、フィリピンとインドネシアの学生とオンラインで繋がり、プレゼンテーションとディスカッションを行いました。
開成高校の生徒からは、「知ってほしい、私たちの福島」のプレゼンテーションを行い、2011年の東日本大震災による津波被害や原発事故の風評を払拭すべく、開成高校が行っている取り組みについて紹介しました。フィリピンとインドネシアの学生からは、台風や大雨、土砂災害といった「自然災害」についてプレゼンテーションをしてもらい、その後自然災害や異常気象といった問題に対し、フィリピンとインドネシアの生徒たちと意見交換を行いました。これらのディスカッションを通し、異常気象に対する取り組みを、それぞれの国で対策を取るのではなく、世界共通の目標として解決に取り組んでいくことの重要性に気づく時間となりました。
フィリピンの生徒と交流し、現地の現状を学んだ後にフェアトレード商品の販売を行ったり、シリア・トルコ地震発生時には募金活動、2023年にはザンビアのオンラインスタディツアーを実施した後に現地への洋服寄付を行うなど、海外の生徒との学びで知った現地の現状を踏まえて、課題を解決するためのアクションを起こす授業を取り入れています。
【参照:福島県立福島あさか開成高等学校HP】
いかがだったでしょうか?近年グローバル教育の必要性が高まっている中で、グローバル教育を取り入れている学校が増えてきています。
・社会問題を世界の同年代と共に語り合う!国際プレゼンテーション大会
また、この様なグローバル教育の成果を発揮し、他国のグローバル人材と共に世界の問題について考えていく「世界合同プレゼンテーション」というものがあります。
世界合同プレゼンテーションとは、世界の中高生が集り、ジェンダー問題や戦争、平和といった社会課題について発表を行う、大規模な国際プレゼンテーション大会になります。2024年2月には、全国14校、世界15カ国の中高生が参加し、世界中の中高生が身の回りにある身近な問題について、5年以内に解決できる仕組みについてプレゼンテーションを行い、世界中の同世代と交流を行いました。
本プログラムでは、中高生が社会課題について解決策まで考え、その成果を英語を用いてプレゼンテーションを通して共有し、発表後にディスッカッションの場を設け、意見交換を行っていくことで、社会課題に向けての主体性や、多様な意見や価値観に触れることで、より多角的な視野を育んでいくことが期待できます。
↓世界合同プレゼンの詳細はこちらから
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000078599.html
5.グローバル教育の第一歩 オンライン国際交流
グローバル化が著しく進む現代社会。だからこそ、言語や国、文化を越えて活躍できるグローバル人材育成の需要が年々高まりを見せています。
弊社With The Worldでは、世界中の学校をリアルタイムで繋ぎ、国際目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」に即した社会テーマでのディスカッションを行う、「オンライン国際交流」を提供しています。本プログラムは、PBL型(課題解決型)カリキュラムで実施されており、海外生と一丸となり社会問題解決に向けて取り組みを行っていきます。その中で、英語力のみならず、課題解決能力を育み、世界で活躍できるグローバル人材を輩出していくことができます。
また弊社のプログラムには、大学生インターンによる英語のサポートや、オリジナルワークシートによる学びのサポートが充実しています。英語がわからない場合は、その場で大学生サポーターに質問することが可能となっており、英語に自信が無い生徒でも、安心して参加いただけます。また、オリジナルワークシートを用いることで、なんとなくでは終わらない、しっかりとした議論と社会問題への理解へと繋げていきます。
グローバル人材育成の第一歩となる「オンライン国際交流」で、あなたの教室・学校にもグローバル教育を取り入れてみませんか?