(株)With The Worldによる福工大城東高の取り組み「海外研修オンラインで代替」西日本新聞で掲載いただきました。
海外研修オンラインで代替
ー福工大城東高 コロナ禍 出国制限受け複数の国と
新型コロナウイルスの感染拡大による出入国制限で実施できない短期留学や海外研修などの代替案として、動画や会議システムを組み合わせて海外生活を体感できるオンライン海外交流の需要が高まっている。福工大城東高(福岡市東区)では2月、フィリピン、香港の高校生と対話交流するオンラインプログラムを実施。これまで部活動などで渡航を断念していた生徒もオンライン交流だと参加できるなど、長所も見えてきた。
ー動画、対話で現地を体感
オンライン海外交流は、観光地や学校生活などを紹介する動画を視聴したり、会議アプリで現地の生徒と会話を楽しんだりする体験を組み合わせたプログラム。海外研修を続けてきた高校などから需要が高まり、大手旅行会社なども取り扱っている。
城東高では例年、3月にニュージーランド語学研修を実施してきたが、コロナ禍で昨年に続き今年も断念。留学生の入国も制限されるため学内交流もできない。代替案として昨夏から複数の国とオンライン海外交流を行っている。
フィリピンとの交流は、神戸市のベンチャー企業「With The World」(五十嵐駿太代表)が提供する「スタディーツアー」を利用した。同社はフィリピン・イロイロ市で、現地NGOと連携してごみ処理場周辺に暮らす貧困世帯への教育サポート活動などを行う。コロナ禍の前は社会課題を学ぶツアーとして高校生の現地訪問などを手がけていた。出入国が制限されるようになってからは現地の様子を映像で伝え、その地に暮らす高校生と対話交流するおんらいんツアーに切り替えた。
城東高の生徒たちは、現地の高校生カルロさん(16)の話を聞いた。「ごみ山の近くにいることで、学校で『臭い』といじめを受ける。そのにおいは彼らが日常で出すごみなのに」
交流後、米満咲羽さん(17)は「経済発展の裏にはこういう生活をしている人がいると知った」。小西優さん(17)は「いじめはとても苦しいはずなのに、将来の夢を語る強さに刺激された」と話した。末吉志朗さん(16)は「部活動があるので海外研修には行けないが、オンラインツアーなので参加できた。当たり前の日常への感謝を感じた」と話した。
五十嵐代表は「これまで全国で400人を超す中高生がオンラインツアーに参加した。同年代の他国の子どもたちが、コロナ禍をどう過ごしているのかを知るきっかけになれば」と話した。
(今井知可子さま) (編集済み)