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(株)With The World 代表 五十嵐駿太が「オンライン国際交流」についてヒョーゴピックスに取材いただきました。

WithTheWorld ヒョーゴピックス

ライブや講演など、いろいろなものがオンラインで実施される中、こんなこともオンラインで行われています。
“国際交流の授業”です。
兵庫県立生野高校で、2020年11月~12月に4回、「観光・グローバル類型」の1年生とインド、マレーシアの生徒が、オンラインでお互いの国の文化や将来の夢について意見を交し合いました。
今、教育現場でもSDGsというテーマはトレンドだそうですが、いざ『持続可能な開発目標について考えましょう』と言われても、どこか遠く感じるのはなぜなのか-。この授業をコーディネートした(株)With The Worldの五十嵐さんに、国際交流をするうえでの本質的な1歩と、国際交流の先に見つめているものを聞きました。

 

(株)With The Worldが提供する国際交流の場とは

清水  実際の授業を見られて、よかったです。高校1年生って、こんなだったなぁと思い出しました。

五十嵐  「帰国子女クラス」のような、英語が得意なクラスのある学校もあるんですが、学校によっては、英語に苦戦するところもありますね。生野高校はベトナムに姉妹校があって、通常ならいろんな交流ができているはずだったんですが、今年度はコロナで全てなくなって、今回、生野高校としては初めて、オンラインでこういった授業を行いました。

清水  (株)With The Worldでは、国際交流授業の中身を考えているんですか。何から何までを行う会社ですか?

五十嵐 まず、学校から「国際交流したいんです」とか「グローバルコースを新設するんですけど、何をどう学ぶのがいいんでしょうか」と依頼があります。「では、生徒たちが、2~3年後、どんな風になっているのが目標ですか」とヒアリングして、授業プログラムなどを構築します。提案したプログラムがOKであれば、次に、交流する相手=海外校を考えていきます。

清水  そういったことからするんですね。相手先の海外校は、どうマッチングするんですか。

五十嵐  今、330くらいの海外校と提携しているので、そのなかから、先生方の熱意、レスポンス、生徒の雰囲気などから、「この学校とこの学校がいいんじゃないか」と相手校を決めていっています。

清水  そうなんですね。
五十嵐  授業の内容や交流先が決まったら、そこからは、オンライン会議システム「Zoom」の使い方を研修したりして、当日の授業を迎えます。当日は、授業の運営もしますが、その後のアフターフォローというか、つながった生徒同士の手紙交換とかのお手伝いもしています。

清水  へぇ、なにからなにまで。

 

起業のきっかけは、フィリピンでの出会い。
「幸せとは何だろうか」

一口に“国際交流”と言っても、お互いの文化を知るものから、人道支援やグローバル課題の解決まで、そのねらいはさまざまです。
国際交流を通して、五十嵐さんが、生徒に見つけてほしいことのひとつが、「いろいろな価値観を受け入れるとはどういうことか」ということ。そして、その先に願うのが、「自国の課題、地域の課題を解決できる人が育つ」ということです。この理念を抱くきっかけは、大学時代に訪れた東南アジアの若者たちとの出会いでした。

五十嵐 大学時代、バックパック背負って、テニスを教えながらフィリピンなどに滞在したことがありました。ある時、フィリピンのイロイロ市という街のスラムで、ゴミを漁っている少年に出会いました。年も自分と同年代くらいで。「学校へ行きたくないの?」と聞くと、「行きたいけど、両親を助けたい(からゴミを拾う)」って答えるんです。「なにか、助けになりたい」と思ったんですけど、でも、彼らはとても幸せそうで。何ができるのか、何が正解なのか分からなかった。それと、子どもたちに空き地でテニスを教えていると、2時間前には「これが、ラケットか」と言ってた子が、みるみるうちに上達して試合ができるようになるのを見て、「こうした可能性のある子が世界にはたくさんいて、彼ら彼女らが教育を受けていたらどうなっていたんだろう」と思いました。

清水 その時のことが、今のきっかけなんですね。

五十嵐 はい。ただ、彼らの周りには学校へ行けている子もいる。なので、教育を受けている子が、理由があって教育を受けられない子たちに、例えば文字や、10以上の数字を教えるとか、そういう場があったらなと思いました。学校へ通えない子は、「できるようになる」っていう学びの楽しさを味わってほしいですし、教える側の子たちにも、何かしらの気づきを得てほしい。お互いに学び合うことができる関係を築けないかと思ったんです。

清水 そこなんですね。人道支援とか、組織による直接の支援はどうか、ではなくって。

五十嵐 そうです。子どもたち自身が、その地域、その村のなかで問題に目を向けて、解決にために何かできるような動きを起こしたいと思いました。

そして、大学卒業後、五十嵐さんは人材派遣会社へ入社。プロジェクトの立ち上げなどのノウハウを学び、2018年に同社を起業しました。

 

生徒に見つけてほしい
「いろいろな価値観を受け入れるとはどういうことか」

大学時代、私は、英語でのディスカッションの授業に苦労したことを覚えています。「自分の意見を!」と言われても、そう主張などなく、自分はディスカッションの土俵にすら立っていないのではないか-。さらに、同年代の留学生たちが自分の意見をスラスラ話すことにカルチャーショックを受けました。
国際交流の授業は、グローバル時代を生きる今の生徒にとって、どんなものになるのが望ましいのでしょうか。

五十嵐 例えば、今日のテーマ=「夢」であっても、「そもそも、私は何がやりたいんだろう」という生徒もいますし、中学、高校の3年間で見つけるのもむずかしいと思います。
清水 まず、そこはありますよね。

五十嵐 「相手の国の課題について、解決案を提案し合う」という授業があるんですが、提案するには、相手の国の歴史や文化、情勢とかを知らないと提案できないですし。それから、意見は交わしてみたんだけども、「考えが合わないからダメだ…」「「意見が食いちがったから、もう意見を言わない」と、そこで止まったりということもあります。でも、そういったことは、議論の場ではどんどん起きてきますし、バックグラウンドがちがうという理由で、相手の意見が理解できないということもあります。そういった時に、どう乗り越えるか。「意見を持って、ちがいを受け入れて、お互い一緒の部分を組み合わせて作っていく」っていう感覚を経験してほしいなと思います。

清水  なるほど。それは、普通の科目授業のなかや、クラスメート同士だけではなかなか経験できなかった部分かもしれませんね。

五十嵐 世の中の課題や状況について、いろいろ調べていくうちにできてしまった価値観を見直す時間にもなってほしいとも思っています。

清水 というと?

五十嵐 ある時、スラム街に住む生徒と交流する時があって、日本の生徒は、最初は、「どこか、かわいそう」とか「何かしてあげなきゃ」という意識があったようなんですけど、交流するうちに「彼らは、自分たちのことを“貧しい”とは思ってなかったりするし、彼ら彼女らには、日本の生徒にはないような幸せの価値基準があるのかもしれない」と気づいて、どんどん自然に、上も下もない人間関係、“友達”の関係を築いていくんです。そういう意味で、情報に懲り固まらずに接するというのも必要なのかなと思います。

清水 なるほど。

清水 今後の目標とかは、ありますか。

五十嵐 今、53か国、330の学校とつながっていますが、今は日本との時差の関係で、アフリカの学校と授業ができなかったんです。日本&アフリカでも、どこか海外の学校&アフリカという組み合わせでも交流ができたらなと思っています。僕が想像していた10倍くらいの速度で事業が進んでいっているので、事業やプログラムの軌道修正をしながら…。
清水 世の中の問題も社会もどんどん変わっていくので、何か新しい方法ができたり、逆に目に見えていなかった課題が浮き彫りになったりすることもあるでしょうね。国際交流の先に、「こうなってたらな」と思うことはありますか。

五十嵐 国際交流でいろいろなことを吸収して成長していった人がゆくゆくは、「あの国はまちがってる」とか「あの国だけ参加してない」という論を出すリーダーではなくて、「どう相手を巻き込んで、どう協同してものごとを解決していけるか」を考えるリーダーになっていってほしいなと思います。そういうリーダーが世の中を引っ張って、世界がいい風に…規模が大きい話になりますけど…なっていってほしいなと思います。

 

半分公式(?)な兵庫県|ヒョーゴピックス
清水さんより 全文は下記URLから
URL:https://hyogopicks.jp/withtheworld-igarashi/

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