2020年10月 POWER FOR TEACHERSに「世界先生会議」イベントの記事を掲載いただきました!
POWER FOR TEACHERSさんより「世界先生会議」について記事化していただきました!
1部ご紹介させていただきます。
潜入レポート:世界各国の先生と教育について考える場
株式会社With The World主催「第6回世界先生会議」(10月17日)の潜入レポート。
日本を含む計15か国45名の現職の先生方がオンラインにて意見交換。
課題解決型学習(Problem Based Learning[以下PBL])は子どもの主体性を促す。
次回は11月21日の開催予定。
今回は、「第6回世界先生会議 理想の教育~課題解決型学習(PBL)の現状と将来の展望~」(主催:株式会社With The World)に参加させていただきましたため、その内容をレポートします。
まずはじめに、レポート記事の公開についてご快諾をいただきましたWith The World様には心から感謝申し上げます。
「世界先生会議」は、「世界各地の先生方が現状やアイデアを交換しあい、これからの教育について考える場を作りたい」という思いから開始されたオンラインプログラムとのこと。今回参加されたのは日本を含む全15か国、担当教科も会計、化学/科学、生物、英語、地理学、フランス語、数学、歴史、物理、社会科学、情報テクノロジーなど、バラエティ豊かな計45名の現職の先生方。「課題解決型学習(PBL)の現状と将来の展望」に焦点を当て、学校現場における課題解決型授業の重要性についてオンラインでの意見交換が行われました。
生徒の好奇心を引き出し、”主体的な思考”を促すことが重要。
セッション1では、生徒が自ら問題を発見し、解決していく経験を通して知識を得たり、身につけたりしていく教育法である「課題解決型学習(PBL)」が、なぜ重要または必要とされているのかについて話し合われました。
あるグループ内(ポーランド、パキスタン、インド、日本等)では次のような意見が出ました。
先生A(インド):PBLは生徒たちにとって、人々が抱いている現在の状況を知っていく助けになると思います。生徒によっては、課題に対しそのままほったらかしにする子もいれば、自ら解決策を見つけ出す子もいます。ただ、少なくともとても初歩のレベルで彼らは一個人としてどのようにその課題に貢献することができるか考えることができます。なぜなら、インドの民主主義について話すとき、彼らは社会自体を変えることはできません。一方で、初歩的な個人の立場においては、彼らは間違いなく変わることができます。
先生B(パキスタン):PBLは学習の初期段階で使われます。PBLでは生徒が自ら調べ、考え、答えにたどり着きます。この一連の思考は彼らの日常生活にも置き換えることができると思います。
先生C(日本):PBLは生徒の主体性を発揮するのにとても有効です。また実際に取り組んだ内容を日常で起こる他の課題に置き換え、活用していく力を養うことができると思います。
国籍や指導教科は様々でありながらも、複数の先生が共通して、PBLは初期段階で生徒の思考や学習の手助けとなること、そして、いかに生徒が自主的に考えることができるかが重要であるという意見をもっていました。また、PBLが生徒たち自身の日常生活にも応用可能であるという意見も、同じく共通して実感されていたことはとても興味深い点でした。
グループごとのディスカッションの後には、全体での意見共有が行われました。そこで出た意見を、以下にて一部紹介します。
- ・PBLにはたくさんの利点があります。生徒はPBLを通して課題解決能力や実生活での能力を得て、精神面・学習能力面でも人間として成長することができます。また、自覚をもつことができ、協働の意識、持続可能性などの教材についても、意欲的に学ぶことができます。
- ・PBLは生徒の好奇心の向上につながると思います。自分の好奇心に応じて答えを見つけ出すことができ、またいろいろな人の意見を聞いたり、質問しあうことによって好奇心を育むことができると思います。
- ・生徒自身が答えを探すのにPBLは非常に有効です。彼らはコミュニケーション能力も育むことができます。理解の深化も、批判的思考もPBLを通して得ることができます。最も重要なことは、技術面だけでなくグループで協働することです。先生発信の授業ではなく、生徒発信で主体的に授業が展開されることは素晴らしいことです。