学校でできるSDGs教育とは?事例と共に解説します!
この記事は、近年教育現場で関心が高まっているSDGs教育についてです。
SDGs教育とは何かから、国内と国外で行われている事例を紹介して行きます!
SDGsとは?
近年、世界は貧困や地球温暖化など、様々な問題を抱えています。
このような問題に対する危機感から、2015年に「持続可能な開発目標(SDGs)」が設定されました。この目標は、2030年までに世界各国で協力して達成したい目標のことで、貧困、ジェンダー、教育などの17のゴールと169のターゲット(小さなゴール)から成り立っています。
このゴールを達成するために学校でSDGsに関する教育が盛んになってきています。
SDGs 実現に向けた教育とは?
SDGs実現にむけた教育は、持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development、略称ESD)と呼ばれます。持続可能な開発のための教育は下記のように、説明されています。
- 持続可能な社会づくりの担い手を育むため、現代社会における地球規模の諸課題を自らに関わる問題として主体的に捉え、その解決に向け自分で考え、行動する力を身に付けるとともに、新たな価値観や行動等の変容をもたらすための教育。
- 国際理解、環境、文化多様性、人権、平和等の個別分野を持続可能な開発の観点から統合した分野横断的な教育。
参照:SDGs実現に向けた文部科学省の取組
https://www.gender.go.jp/kaigi/renkei/team/jisedai/pdf/jisedai09_02.pdf
持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development)(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/unesco/004/1339970.htm
つまり、生徒たちが社会問題を自分たちで解決していく問題だという意識を持ち、解決策を生み出し、それを実践する教育方法になります!
SDGsを学校で取り上げることは、SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」にも含まれているように、SDGsを達成するために不可欠なものであるといわれています。
ターゲット4.7
2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。
ESDは、次世代を担う全ての子供たちが、社会問題への解決に向けて行動できる人になる、大切な第一歩です!
そのため、学校でSDGsを取り上げることは近年より重要視されています。
SDGs教育実践事例 (日本)
[小学校]
江東川区立八名川小学校
八名川小学校では、SDGsでも大切にされている、「だれ一人取り残さない」教育を目指して、一年通して、全学年でSDGsに対する学びを深める環境を生徒に提供しています。
【学びに火をつける、調べる、まとめる・実行する、伝え合う】という問題解決的な学習過程を使用し、生徒が未知の課題に、解決に向けて協働しあうことを目指しています。
こちらの小学校では、学年ごとにESDカレンダーと指導計画表を用意し、生徒達が主体的に問題の解決に向けて取り組む授業が行われています!また指導計画では、SDGsに関することを学期ごとにテーマを設定し、総合的な学習時間を使用して、課題に対して、取り組んでいます。
ESDカレンダー等は、学校のホームページから確認できます↓
https://yanagawa-sho.koto.ed.jp/modules/hp_jpage5/
学内での探究だけではなく、学外(区役所の方にインタビューなど)での体験的な活動、外部人材との対話等を通して、学びを深めます。最終的には、全生徒が「八名川祭り」でSDGsに対する取り組みを発表し、生徒同士で学び合い、地域の方にもSDGの情報を伝えることができる機会になっています!
[中学校]
鳥取県青翔開智中学校
青翔開智中学校では、「探究基礎」という授業で、新しい学びを実践することに力を入れており、中学3年生は「鳥取の社会課題解決を通してSDGsに貢献しよう」をテーマとして、ファストファッションなどを取り上げ、学びを深めていました。
そこで、弊社With The Worldの「オンラインスタディーツアー in フィリピン」を学びの一部と使用し、ファストファッションに関わるゴミ問題を通して、「サステナブル」とは一体何なのかを考えていきました。
このプログラムでは、フィリピンのゴミ山問題、スラム街の様子を視聴し、英語で現地にいるフィリピンの学生と英語で意見交換を行いました。
このように文献や映像を見るだけではなく、実際に現地の学生と対話を行うことで、当事者の声や問題への理解をより深めることができ、社会問題を他人事ではなく、身近に感じる社会問題に対して行動をするきっかけになります!
参照:『青翔開智HPに弊社プログラムでの様子について掲載して頂きました!』
[高校]
岡山県倉敷青陵高等学校
倉敷青陵高等学校では、弊社With The Worldのプログラムを使用し、SDGsや社会問題をテーマに国際交流授業が行われました。
この授業では、フィリピン・ミャンマー・トルコ・インドネシアの生徒たちとともに、お互い探究してきたテーマを発表し、自分たちと異なる文化・生活背景を持つ学生たちとの交流で異なる価値観への理解や社会問題へのより多角的な視点の形成に取り組みました。
参照:『岡山県倉敷青陵高等学校 オンライン国際交流レポート』
弊社With The Worldでは、国際交流などを通して、生徒たちが主体的にSDGs実現に向けて対話力&問題解決力を身につける授業を運営しております。
少しでも興味のある方は、ぜひご連絡ください!
SDGs教育実践事例 (世界)
[イタリア]
イタリアでは、2019年から、6歳から19歳まで、気候変動に関する授業が義務となり、2022年から本格的に授業が行われています。
授業内容としては、人間が自然にどのような影響を与えているかなどを学びます。この授業に加え、高校生には物理、数学などの一般科目もサステイナビリティの視点から授業を行っています。
[ギリシャ]
ギリシャでは、アートとESDを組み合わせる授業が複数の学校で行われています。
リムノス島の高校では、学校ででたフードロスを集め、マーメイドの絵画を作るプロジェクトが実行されました。
他の学校では、持続可能な開発にとって文化の重要性を学ぶ教育も行われています。
ギリシャではメディテラニアンダイエットという食文化があり、生物、経済などの授業で、生徒たちは長年受け継がれてきた食文化を家族から、そして、農家を訪問しつつ学ぶ機会があるそうです。
[インドネシア]
インドネシアのタンゲランに所在する公立学校では、理科の授業の一貫で、環境問題に対するアクションを生徒が実践する授業を組みました。先生が、気候変動、水不足問題、エネルギー問題などを含めたウェブサイトを作成し、生徒が様々な環境問題のトピックについて学びつつ実際に実践できる行動について記載しました。
このウェブサイトは、生徒たちが交流できる場ともなっており、生徒が実践した解決策を紹介したり、お互いにフィードバックを交換することも行われたそうです。
最後に
ESDを通して、生徒たちは、社会に潜む様々な問題を自分ごとにし、課題への解決策を生み出し、実践するという大切なスキルが身につきます。
このスキルは、SDGs達成に向けてだけではなく、現在求められているグローバル人材にも適用されるスキルです。そのため、SDGs教育はこれから増えていくと思われます!
弊社With The Worldでは、英語でのコミュニケーション力を伸ばしつつ、ディスカッションやプレゼンテーションなどを通してSDGsへの理解と社会問題への解決力を身に付ける国際交流授業を行っています。少しでも興味がある方は、ぜひご連絡ください!
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